書籍紹介4「坂の上の雲1~8」著者:司馬遼太郎

言わずと知れた司馬遼太郎の代表作の一つです。

 

私が初めて読んだのは22才の時。当時の会社の上司に薦められました。この時から司馬遼太郎作品にハマってしまって「龍馬がゆく1~8」「幕末」「十一人目の志士」「殉死」「峠」「最後の将軍」等、読み漁ったお記憶があります。

 

この本は正岡子規秋山好古秋山真之を軸にした内容です。日露戦争が如何にして起こってどのようにして終わったのかが分かります。

 

日露戦争と言われても特にピンとこないですよね。歴史の勉強でちょっと触れたなあってくらいだと思います。私もそんな感じでした。んん、日清戦争の後に起こった戦争だよな、ってくらいなもんです(恥ずかしい笑)。

 

日露戦争明治37年(1904年)に起こりました。37年前までチョンマゲを結っていた民族が世界最大と言ってもいい陸軍(特にコサック騎兵)と海軍に挑んだ点や、白人中心の世の中において黄色人種が反旗を翻した点、日清戦争前から約20~30年かけて大急ぎで建造された海軍が誰がどのように作ったのかという点、このあたりが大変興味深いところです。また、話の中で陸軍の明石元二郎大佐が出てきます。この方が行った諜報活動というのがものスゴイ。ユダヤ人のリーダーやレーニン等、ビッグネームと渡り歩きながらロシア国内の革命運動を支援することでロシア軍の弱体化を実現していくところはまさに圧巻でした。

 

主人公の一人である正岡子規はご存知の方が多いと思います。

 

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

 

この句で有名ですね。正岡子規は伊予松山の出身です。そこで知己だった秋山真之とその兄である秋山好古のことをご存知の方はそう多くないと思います。私もこの本を読んで知りました。

 

秋山好古は陸軍においてほとんど一人で騎兵部隊を建設した重要人物です。日露戦争では少将として従軍しました。強敵とされた「コサック騎兵団」と互角に戦い抜き重要な会戦で驚異的な粘り強さを見せます。

 

秋山真之は海軍の参謀です。日露戦争では少佐として従軍しました(途中で進級)。最も有名な成果としては日本海海戦においてそのほとんどの作戦を立案し東郷平八郎大将の指揮のもと、他にこんな例はないというくらい完璧な勝利に導いた方、というものです。

 

この本を読んで、日本人であれば過去にどんなことがあったか知っておくべき、ということを強く感じました。もともと歴史は好きだったのですが、知らないことが本当に多いなと思います。もっともっとたくさんの本を読んで勉強していこうと決意させてくれた大好きな本の一つです。
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